アーユルベーダ抽出物は高齢者の膝痛を軽減:サビンサ ジャパンの無作為化比較試験
ボスウェリン酸を含むボズウェリアセラタ樹脂の標準抽出物であるボズウェリンスーパーは日本人成人に対して行われた無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験において筋骨格系健康を保つのに役立つと評価された。
ボズウェリアセラタはカンラン科の高木でインドやパキスタンの一部に生息し、その抽出物はアーユルベーダ医学において広く使われている。
サビンサ、Sami Labs 、ClinWorldの研究者はボスウェリン酸が炎症の軽減や関節のダメージを防ぐのに役立つのかどうかを検証したかったとEuropean Journal of Biomedical and Pharmaceutical Sciencesの中で述べている。
「近年、日本では高齢者人口は着実に増加しており、その中には膝痛、腰痛、肩痛に悩まされている人もいます。膝痛が和らげばもっと体を動かすことができるので、膝痛を軽減することは日本人高齢者の生活の質の向上につながります。この試験ではボスウェリアセラタの抽出物を膝痛を和らげる治療法として調査した。」と書いている。
この試験には膝痛のある48人が参加し、8週間、1日1回、ボズウェリンスーパーまたはをプラセボのいずれかを服用した。
参加者は日本全国から公募されたが、ほとんどは大阪地区からの参加者だった。60代の被験者を優先的に募集し、必要な件数に到達するまで50代、40代、30代そして20代の被験者を募集した。
視覚的アナログ尺度(VAS)、変形性股関節症患者機能評価尺度 (JKOM)、ウェスタンオンタリオ州とマクマスター大学変形性関節症指標(WOMAC)を使用して膝痛を測定した。さらに、血清ヒアルロン酸と高感度C反応性タンパクが二次結果判定法として測定された。
基準値と比較して、ボスウェリンスーパー群の患者に8週間の介入後、VAS、JKOM、WOMAC測定において顕著な改善が見られた。
「8週間の介入後、BSグループの血清ヒアルロン酸値はプラセボ群よりも低かった。」と述べている。
阻害活動
ボスウェリアセラタ抽出物はヒアルロニダーゼ活性を阻害する可能性があるため、ヒアルロン酸値は低かったのかもしれないと付け加えられた。そのことはまたヒアルロン酸が血清に溢れ出るのを阻害することにつながる可能性があると付け加えられた。
過去の研究では関節痛を感じた慢性関節リウマチ、または若年性関節リウマチの症状のあった患者の血清ヒアルロン酸の値が高かったと述べている。
「血清中のヒアルロン酸の量が多いということは軟骨組織からの流出を反映していると考えられ、それが朝に関節痛を引き起こすと考えられている。したがって、膝関節痛は、高血清ヒアルロン酸レベルと相関し得る。」
「この試験でBSはヒアルロン酸の血液への分泌を阻害することがわかった。プラセボ群と比較して膝痛の自覚症状は改善する傾向があった。したがって、ボスウェリンスーパーは日本人成人の膝痛を和らげるのに役立つかもしれない。」と結論を述べた。
資料: European Journal of Biomedical and Pharmaceutical Sciences(ヨーロッパ生物医学及び薬学ジャナール)
2016, Volume 3, Issue 10, 293-298.
“Effect of Boswellin Super on Knee Pain in Japanese Aduults”. (日本人成人の膝痛に対するボスウェリンスーパーの効果)
作者: Muhammed Majeed et al.
The English version of this story is available here.