アジアのパーソナライズドニュートリション*:「業界は転換期に」

Vitafoods Asiaの専門委員会は、市場の新しいプレーヤーと画期的な技術により、アジア全体でパーソナライズドニュートリションの革新が起こるとみている。しかし、業界全体では、パーソナライズドニュートリションが何を意味するのか、何に役立つのかについての明確な定義はまだない。

Nutraingredients-Asiaが主催したパネルセッションでは、DSM、Monteloeder、Frost & Sullivanからのゲストがパネリストとして市場の現状を評価した。

過去二年ぐらいに起業したAPAC のベンチャー企業の何社かは、消費者のDNA に基づいたニュートリションとスキンケアソリューションを提供しているが、パネリスト達は生活習慣や健康状態に基づいて、パーソナライズドニュートリションはより広範な人口集団を対象にすべきだと考えている。

DSMのグローバルHNH戦略マーケティング担当バイスプレジデント、Ivo Lansbergen氏は、「私たちは、ここに最大のチャンスがあるとみており、アジア全域と世界中の人々の健康を直接的に向上させることができると考えています。」と述べた。

有望な可能性

Frost & SullivanのNatasha Telles D'Costa氏は、糖尿病、肥満、骨健康問題などの問題が、より幅広い人口集団の中で最も有望な製品革新の可能性を提供すると付け加えた

「APACの企業はパーソナライズドニュートリションが何を意味するのか明確な定義を持っているとは思えませんし、消費者も同様です。しかし、消費者は自身のライフスタイルや現状にあうパーソナライズされた商品を探しています。 私は、これこそが原点であり、必ずしもDNAテストに限ることはないと考えています。」

すべてのゲストは、新技術はこの分野におけるイノベーションを推進させる力を持っていると確信している。

MonteloederのIgnacio Cartagena氏は着用可能な機器や人工知能が消費者の健康をモニターし、それに応じた対応がさらに容易になると述べている。

Lansberge氏も同意し、「自身の腕時計でGI値を読み取り、行動を起こすことができないなんて言う理由はないでしょう」と付け加えた。

新規参入

しかし、ニュートリションビジネスの重要な課題は、これらの要求を満たすことである。

「私は、市場への新規参入者は私たちの慣れ親しんでいる伝統的なセクターからではないと思う」と語ったDe Costa氏は、デジタル技術企業や自動車産業を潜在的なプレーヤーとして強調した。

Lansbergen氏とCartagena氏は、これは、サプリメントと健康食品業界が革新するだけでなく、協力しなければならないことを意味していると語った。

「コラボレーションとパートナーシップは不可欠です、成功している原料メーカーであるDSM一社だけではできません」とLansbergen氏は付け加えた。

パーソナライズドニュートリションのための将来の提供システムについてはいくつかの意見の相違があった。

D'Costa氏は、製品の最初の波は機能性食品分野にあると考えていたが、Lansbergen氏とCartagena氏はダイエタリーサプリメントこそがその役割を担うとした。

しかし、両者は、サプリメント業界は、これまでに経験したことのない革新とマーケティングの新しい文化に基づくことが必要であると合意した。