オリゴ糖は腸内微生物の調整により肥満に効果的: 日本の研究

特定のグループのオリゴ糖は、腸内微生物の調整を通じて肥満に対抗できる可能性があると、日本の研究者は述べている。

アガロースは、通常海藻から抽出された多糖高分子化合物で、容易に加水分解されてアガロース - オリゴ糖(AGO)として知られるオリゴ糖を生成する。

アガロースは、 “肥満の有病率と深く関連している” 腸内微生物叢に影響を与えることができると言われている。

研究者らは、マウスにおける腸内微生物組成および肥満表現型に対するAGOの影響を究明するための研究を行った。

腸内観察

5週齢の雄マウスを用いて、六匹ずつの二群に分ける前、1週間は水と餌に自由にアクセスさせた。

一群は8週間 AGOを溶解した飲料水を与えられ、4週間の摂食期間中に各マウスから新鮮な糞便サンプル採取した。

それらの糞便の微生物学的プロファイルを評価し、対照群と比較して、AGOマウスは「精巣上体脂肪組織重量および血清非エステル型脂肪酸濃度が有意に低下している」ことを見出した。

また、肝臓内酵素によってコレステロールから肝臓で合成された一次胆汁酸の濃度がAGOマウスでは増加する傾向があることも確認した。

一方、活性酸素種の増加、DNA損傷、ゲノム不安定性、および腫瘍増殖に寄与する 二次胆汁酸の濃度は増加しなかった。

さらに、AGO投与は、精巣上体脂肪組織重量と負の関連性を示した圧倒的多数のマウスの特定のタイプの腸内細菌に直接関連しているが、「これらの属の増殖の理由は不明である」と述べた。

更なる証明が必要な肯定的成果

研究者らは、AGO投与マウスの腸内微生物の決定的な役割はまだ解明されていないが、AGOがどのように腸内微生物組成に影響を及ぼし、肥満を予防するかデータが示していると述べた。さらに、これはAGOによる腸内微生物の調整が抗肥満特性の寄与因子であり得るこ

とを示唆していると仮説をたてた。

「AGO受容マウスの腸内微生物の決定的な役割を解明するためには、糞便移植を用いた更なる調査が行われなければならない。 しかし、今回のデータは、経口摂取が肥満およびその関連障害を予防する可能性を示しています」と結論づけた。

出典:The Journal of Nutritional Science and Vitaminology https://doi.org/10.3177/jnsv.63.269

"Agaro-Oligosaccharides Regulate Gut Microbiota and Adipose Tissue Accumulation in Mice"(アガロ - オリゴ糖は、マウスの腸内微生物叢と脂肪組織の蓄積を調整する)

著者: Yasuki Higashimura, 他.