クロレラはタンパク質、食物繊維、クロロフィル、ビタミン、ミネラルを多く含む潜在的な食物源であり栄養補助食品と考えられている。
流通経済大学と筑波大学の研究者は、男子大学生の最大酸素摂取量とビタミンB2血中濃度への影響を調べるための研究を行った。
不足気味の栄養
介入試験の前に34人の被験者の毎日の食物摂取量を評価し、特定のビタミンおよびミネラルの摂取量が推奨栄養要所要量を下回っていたことが観察された。
不足していたものは、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、およびビタミンA、B1、B2、B6、Cであり、ナトリウム、タンパク質、脂肪の摂取量は所要量を上回っていたが、エネルギー摂取量は下回っていた。
ポジティブな増加
参加者はクロレラ由来の多成分物質補給を受ける群と、プラセボを受ける群の2群に分けられた。
4週間のクロレラ補給後、最大の酸素摂取量はクロレラ補給群で有意に上昇した。同時に、参加者の鉄、ビタミンB2、DおよびK、およびナイアシンの充足率は、クロレラ補給後に最大20%増加した。
ビタミンB2?
介入試験前は、被験者の最大酸素摂取量と血清ビタミンB2濃度との間に負の相関が認められた。以前の研究で、食生活の変化や定期的な運動などの生活習慣の変化は、ビタミンB2の要求度が高くなることが示されていた。これは、より高い有酸素能力(すなわち、より高い最大酸素摂取量)を有するものが、より多くのビタミンB2を代謝することを示唆している。
研究者らは、「介入試験前、VO2max(最大酸素摂取量)と血清ビタミンB2濃度との間に有意な負の関係があることを見出した。さらに、VO2maxの上昇とビタミンB2の血清濃度レベルとの間には関連がないものの、4週間のクロレラ由来多成分物質補給は不十分な食習慣を持つ男性の大学生のVO2maxを増加させることが観察された」と結んだ。
出典:Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
http://doi.org/10.3164/jcbn.17-36
"青年におけるクロレラ由来多成分補給の最大酸素摂取量と血清ビタミンB2濃度への効果"
著者:Asako Zempo-Miyaki他