例えば、キリンはラクトコッカス・プラズマ(Lactococcus Plasma)を使用した製品の開発と発売を計画していると同社のコーポレートコミュニケーション部門 Toshiaki Hyodo氏はNutraIngredients-Asiaに語った。
Hyodo氏は、10億円がソーンに投資されており、資金を投入した後、キリンと三井物産はいずれもソーンの株式の40%を所有することになると付け加えた。
この投資はまた、米国と日本でのソーンの事業を強化することになる。
ニューヨークに本拠を置くソーンの中核事業は、サプリメントの開発、製造、販売、家庭試験サービスの提供にある。
近年は家庭用テストキットによるパーソナライズドニュートリションを提供、約100億円の売上を記録している。
目標1,000億円
キリンは減退しつつあるビール市場の中で、健康補助食品の利益拡大に取り組んでいる。
例えば、去年iMUSE(イミューズ)というブランドでLactococcus Plasmaを含む5つの製品を発売した。 これらの製品には、チュアブルサプリメント、乳酸飲料、ヨーグルトが含まれる。カルビーからはLactococcus Plasmaを含むポテトチップスが発売された。
特に、iMUSEプロフェッショナルのチュアブルサプリメントは、秀逸な販売実績を示した。
Hyodo氏は、その売上高が目標金額の「4倍」であることを明らかにした。
「全国で、iMUSEプロのサプリメントを販売している医療機関の累積数が1,000を超えました。このサプリメントは多くの医療機関でも採用されている」と彼は語った。
キリンは、今後20年間で、健康上の懸念事項に対応する食品や飲料製品のポートフォリオで1,000億円の売上を達成することを目指す、と付け加えた。
CEO Yoshinori Isozaki は健康事業への進出についてコメントし、「以前はビール事業だけに焦点を当てたい」と表明したが、「ビール事業だけでは持続可能な成長を達成できない」と認め、「時間を稼ぐために」必要に応じて「健康分野で事業譲渡を行う」と述べた。
最新の健康製品投資については、「キリングルー取組み、消費者の期待理解による社会との持続的な成長を共に目指すと述べた」。
ビール販売のリバウンド
キリンのビール事業は、今年第1四半期の業績から予想外に改善した。一方、医薬品・バイオケミカル事業は、2017年第1四半期の899億円から今年831億円へと7.5%の減収となり、見劣りしてしまった。
キリンの財務実績発表によれば、収益および利益の減少は、「ジェネリック医薬品の使用増加と予想される薬価改定前の買い控え」によるものであった。
一方、日本に於ける飲料事業は、総収入の51.6%を占める2,227億円の収入を記録し、2018年第1四半期の業績に対する最大貢献者となった。
数字は、「計画を上回った強いスタートを切った」とコメントした昨年同期の2156億円をわずかに上回っている。