試験の結果は、消費者が宣伝されているような適切な量の栄養素を吸収していない可能性があることを示唆している。
コンサルティング会社Smooth Linkの加藤 久明社長によると、NCACは、特定の健康食品の品質が見た目ほど信頼できない可能性があることを消費者に注意を喚起する目的で結果を発表した。
NCACは、この商品テストを実施して、吸収率、示されている機能性物質の含有量、または製品が微生物や重金属で汚染されているかどうかなど品質を調査した。 このテストは通常、医薬品に使用される。
日本では、健康食品 (錠剤・カプセル状)/サプリメントは食品として分類されている。
消費者庁(CAA)により、栄養機能表示食品(FNFC)および機能表示食品(FFC)を含む健康食品の栄養情報を表示することが義務付けられているが、医薬品のような厳しい試験の対象ではなく、条件を満たせば、販売に政府の許可は必要ない。
市場調査
昨年9月から10月にかけて、NCACは、マルチビタミン、GABA、黒酢、香酢、酵素、HMB、ルテイン、乳酸菌、グルコサミン、DHA、EPAからCoQ10までの10種類の一般的なサプリメントから100銘柄を選択した。
これらのカテゴリは、徳島県で実施された消費者アンケート調査に基づいて選択されたもので、店舗やeコマースで最もアクセスしやすいものである。
各カテゴリについて、10銘柄が選択された。
選択された製品(錠剤、カプセルなど)は飲んで服用するもので、かみ砕いて摂取する製品は除外された。
崩壊性および機能性物質試験
NCACによると、日本薬局方崩壊性試験では、素錠剤の形の医薬品は、30分以内に水に崩壊するしなければならず、砂糖または他の溶液でコーティングされたものは60分以内、カプセルは20分で崩壊すると規定されている。
「錠剤およびカプセルの形の医薬品製品については、製剤からの活性化合物の放出および消化管からの吸収を確認するために崩壊性試験が必要となります」と加藤氏は試験の必要性を説明した。
崩壊性試験により、100銘柄のうち42銘柄が医薬品に定義された特定の時間内に溶解しなかったことが判明、非コーティング錠剤は、26銘柄のうち14銘柄が時間内に崩壊せず、試験で最悪の結果を出した。
機能性成分の量を測定した50銘柄のうち、2銘柄が、表示量よりも少ない含有量であることも判明した。
別の結果では、一日の最大摂取目安量中の機能性成分の量は、銘柄により様々であることがわかった、特に、製品あたりのGABAとルテインの量は、銘柄によって大きく異なっていた。 GABAの場合、最大量は最小量の約15倍、ルテインでは約27倍の差があった。
「こうした健康食品の多くは、日本薬局方やGMPが適用される医薬品とは異なり、必須の製造管理基準や品質テスト方法によって規制されていないため、品質にばらつきがある可能性があります。」
「さらに多くはカプセルまたは錠剤として販売されているため、消費者は、特に品質面では医薬品と同じであると思ってしまうかもしれません」と加藤氏はNutraIngredients-Asia誌に語った。
NCACは次のように警告している、「サプリメントが医薬品と同じ品質のものであるとは限りません。」
消費者へのアンケート調査
昨年の同時期に10,168人の消費者を対象に行った別のオンライン調査では、回答者の74%が、サプリメントは厳格に製造され、良質であると思っていた。
開封時または利用時に品質の異常があったと回答者の約9%が回答した。
消費者は、栄養素を補うために健康食品を摂取し(25%)、症状を治癒または緩和するために摂取した(20%)と回答した。
約8%は、健康食品と医薬品を区別する方法を知らなかった。
業界は懸念を表明
テスト結果について業界は対立の構えをみせたが、一部の組織は、崩壊性試験を必須にする必要があるとした。 たとえば、日本の業界団体である日本健康栄養食品協会は、試験を導入するが、独自の基準を策定すると述べた。
一方、健康食品産業協議会は、毎日新聞にサプリメントが医薬品と同じレベルで判断されなければならないように思われ、消費者に違いを誤解させるような試験方法の実施に反対している」と話している。
これらの健康食品の医薬品クラスのテストを実施することに強い反対があるが、加藤氏は「栄養素と機能性成分が体内に吸収されないことは問題外であるため、業界はこの方向に進んでいくでしょう。」
「消費者の信頼性を得るために、健康食品の品質を改善するための業界基準を設定する必要があります」と述べている。
NCACは、関連する企業に対し、製品が一定の品質で製造されるように、標準の策定など、製品の品質を改善するよう要求。また、製品の特定の品質レベルが確保および維持されるように対策を講じるよう政府に要請している。