業務通常通り:日本のサプリメントメーカーは、2度目の新型コロナウイルス緊急事態の中、スムーズな推移を報告

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ファンケル、キリン、ジョージ&オリバー、大正製薬、エミネット、キューサイなどの日本の健康食品やサプリメント企業は、新型コロナウイルス感染症拡大による第二次緊急事態宣言が発令された都道府県があるにもかかわらず、「通常通りの営業」を行っていると述べている。

日本政府は1月8日、首都東京に緊急事態宣言を出した。新型コロナウイルスの感染者が1日5,000人に急増し、パンデミックが始まって以来最高のレベルとなっていた。

その後、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、京都府、兵庫県、福岡県、愛知県、岐阜県、栃木県を追加し、日本の人口の半分以上をカバーすることとなった。

この緊急宣言のもと、菅義偉首相は企業に対し、社員の在宅勤務を奨励し、出勤者数を70%削減するように要請した。

3月7日までの期間中、飲食店など酒類を提供する店は早めに閉店し、住民には緊急性のない理由での外出を控えるよう呼び掛けている。

バーやクラブ、不要不急な店舗に閉店を求めた昨年の4月から5月にかけての日本初の全国的な緊急事態に比べれば、比較的緩い発令だと言える。

日本の健康食品やサプリメント企業の多くは、シームレスな移行を確実なものにするべく、昨年の注意点や教訓を生かした取り組みを行っている。

勤務形態

NutraIngredients-Asia誌は、既に多くの企業の事務スタッフが在宅勤務をしていること確認した。

フィッシュコラーゲンメーカーのエミネットでは、作業スペースの確保や生産スタッフのために換気を徹底している。

化粧品・サプリメントメーカーのファンケルでは、安全性や感染予防を優先して在宅勤務を実施している。

製造面について、同社広報部のTakayuki Misawa氏は「お客様にご迷惑をおかけしないように、しっかりと需給をコントロールしていきます」と述べている。

キリングループでは、食品・飲料・医薬品の製造・販売業務は通常通り継続している。

キリンホールディングス広報担当の髙島 与佳さんは「キリングループは、今後も法規制や方針を遵守しながら、生産・供給責任を果たしていきます」と話す。

「キリングループの日々の事業活動を支える社員とその家族、ステークホルダーの方々の生命と健康を最優先に考えます」と付け加えた。

医薬品、栄養補助食品、ドリンク剤などを製造する大正製薬ホールディングスや、化粧品や栄養補助食品の製造・供給元であるジョージ&オリバーでは、安定供給のために通常通り生産を継続している。

トレンド

昨年一年間を通して見たいくつかの傾向と、最初の緊急事態から得られた教訓を各企業に尋ねた。

免疫、美容、体重管理、精神衛生などの機能を備えた製品は2020年に人気が出たという。

キリンによると、消費者の健康志向が高まる中、免疫機能を備えた機能性食品ブランド「iMUSE」など、健康機能を付加した商品への関心が高まっている。

iMUSEブランドは、キリン独自のプラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis strain Plasma.)を配合している。2020年11月のiMUSE飲料の売上は、2019年11月と比較して約8倍に増加した。

ファンケルのMisawa氏によると、ビタミンCやDなどの免疫サプリの売り上げが昨年より伸びているという。

屋外での運動やジムに通うことができないため、脂肪管理に関連したサプリメントへの関心が高まっていると大正製薬広報のNobuyuki Hiraga氏。

ジョージオリバーのKazu Takeshimaゼネラルマネージャーによると、昨年は働く女性を中心に、ダイエットや美容に関心のある人達からのニーズに応じて、ダイエットサプリ「夜遅いご飯」シリーズが好調であった。

ジョージ&オリバーのサプリメントは、酵素をベースにしたもので、新陳代謝を高め、腸の動きを整え、体脂肪を減らす効果がある。

エミネットでは、昨年、美容コラーゲンサプリの売り上げが急上昇したとYuji Nishina海外事業部長は語った。