日本の機能性食品 独占記事パート2:GABA、ブラックジンジャー、難消化性 デキストリンが人気成分、体重や血糖値に関する機能が上位を占める
これは、ライフサイエンスに特化した日本のコンサルタント会社であるスムースリンクが発表したレポート「2020年度のFFC製品分析」による。
2020年度(2020年4月1日~2021年3月31日)は過去最高の1,067製品となり、2015年の制度開始からの累計は3,602製品となった。パート1はここをクリック。
機能性関与成分
2020年度の1067製品のうち、機能性成分を1つだけ使用しているものは163製品、残りは2つ以上の成分を組み合わせた組成となっていた。
2020年度、単剤使用ではGABA、ブラックジンジャー由来のポリメトキシフラボン、難消化性デキストリン(食物繊維)、イソマルトデキストリン(食物繊維)、イヌリン、アスタキサンチンなどが人気の成分であった。
組合せで人気の高かったものは、DHA・EPA、ルテイン・ゼアキサンチン、イチョウ葉由来のフラボノイド配糖体・テルペンラクトン、サケ鼻軟骨由来のプロテオグリカン・非変性II型コラーゲンなど。
弊紙では、昨年、FFC製品に使用されている機能性関与成分の上位は、難消化性デキストリン、GABA、ルテインであった事をレポートしている。
健康強調表示
健康強調表示では、2020年度に届出された製品では、血糖値、BMI、整腸作用、脂肪、肌の保湿、血圧、コレステロールを対象とした訴求が上位を占めた。
株式会社スムースリンク 代表取締役社長の加藤 久明氏によると、このような傾向は、コロナ禍の影響で、基礎疾患への関心が高まったことによると考えられる。
「基礎疾患のあるヒトは、新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクが高いため、優先的にワクチン接種を受けられる。」
慢性呼吸器疾患、心臓疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、糖尿病、肥満などが該当する。
なお、FFC製品は健康に特定の効果をもたらすことはあっても、いかなる病気のリスクも低減することはできない事を留意してほしい。
昨年は「脂肪」に関する訴求がトップで、次いで「血糖値」「疲労」「血圧」「認知」「アイケア」「ストレス」と続いた。
加藤氏によると、2020年度については、骨、関節、筋肉、ストレス、睡眠などを対象とした製品が引き続き好調に推移しているという。
血圧や血糖値を下げるといった一般的な健康強調表示に加えて、企業は身体の特定の部位を対象とした強調表示を行うことができる。科学的な証拠を示すことができる場合に限り、例えば、肝臓や目の機能を維持するという訴求が出来る。
「消費者は、単に『内臓脂肪を減らす』と書かれている商品よりも、『お腹周りの脂肪を減らし、BMIを改善する』と書かれている商品を選ぶ傾向があります。抽象的な表現よりも直接的な表現の方が効果的です」と加藤氏はNutraIngredients-Asia誌に語った。
身体の特定の部位を対象とした健康強調表示としては、腹部(腸の動きを整える)、皮膚(肌の潤いを保つ)、目(眼精疲労を和らげる)、膝(膝の動きをサポートする)、脚(脚の動きをサポートする)、骨(骨の組成を維持する)、口(口内の健康)、腰(不快感を和らげる)、鼻(不快感を和らげる)、肝臓(健康な人のアラニンアミノトランスフェラーゼ値を下げる)などが人気の訴求であった。
製品紹介
撤廃を除いた1062製品の中には、例年にない新しい健康強調表示も見られた。
その中には、キリンが独自に開発した免疫に関与する「プラズマ乳酸菌」を配合した16製品が含まれている。日本のFFC製品では初めての免疫関連訴求であり、免疫の分野に踏み込んだとして高く評価されている。
他には、サッポロウェルネス・ラボのレモン由来モノグルコシルヘスペリジンの顔や足のむくみを軽減する効果などがある。
生鮮食品では、ベイシアのDHA・EPAを含む魚は脂肪を減らす効果があり、サラダコスモの大豆スプラウトはGABAや大豆イソフラボンを含み、肌の保湿や血圧低下、骨の組成維持などに効果があるなどもある。
また、食後の血中中性脂肪の上昇を抑えるといわれるグロビン由来のバリン・チロシン・プロリンを配合した日糧製パンの菓子パン「アンパン」も登場した。
お茶の伊藤園からは、ガレート型カテキンを含む緑茶葉が発売され、BMI値の高い人の体脂肪を減らす効果を謳ってる。
また、日本コカ・コーラからは、GABAを配合したRTDティードリンクが発売され、記憶力の向上や血圧の低下を謳っている
記憶に関する機能は、GABA成分で初めて謳われた。GABAは、血圧、ストレス、睡眠、活力、肌のハリなど5つの機能性でFFC製品に採用されている。