高齢な2型糖尿病患者におけるビタミンBおよびDの摂取量低下と筋肉減少との関連

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日本で行われた研究によると、2型糖尿病で筋肉量が減少している高齢者は、筋肉量が減少していない被験者と比較して、ビタミンB1、B12、Dの摂取量が有意に少ないことがわかった。

糖尿病では、インスリンシグナル伝達の低下やインスリン抵抗性の上昇により、筋力や筋肉量が低下することがわかっている。筋肉はグルコース代謝の主要器官であるため、筋肉量を維持することは非常に重要である。

筋肉量の減少は、サルコペニア、心血管疾患、死亡率のリスクを高めることにも関連している。

今回の研究では、日本の研究者が、2型糖尿病の高齢者におけるビタミンA、D、B1、B2、B6、B12、C、Eと筋肉量の減少との関係を明らかにすることであった。

研究設定

糖尿病患者を対象としたKAMOGAWA-DMコホートの一環として、本研究は2016年から2018年にかけて募集した2型糖尿病患者197名を対象とした。

197人のうち、平均13カ月のフォローアップで47.2%に筋肉量の低下が見られた。

これらの人では、ビタミンB1、B12、Dの摂取量が、筋肉量が低下していない参加者に比べて有意に少ないことが解った。

ビタミンB12は血清ホモシステインを低下させることによりサルコペニアに影響することが知られている。ホモシステイン値が高いと、筋力や歩行速度が低下する。

ビタミンB1については、摂取量が不足すると、ミトコンドリアにおけるグルコース代謝が不十分になり、筋肉が減少することが知られている。

ビタミンACE

今回の研究では、ビタミンA、C、Eの摂取量は、筋肉量の減少との関連はなかった。

ビタミンAは免疫機能を活性化させる効果があることが知られており、ビタミンCとEは抗酸化物質。研究者たちは、この知見を理把するにはさらなる研究が必要だと述べている。

 

出典:Nutrients

https://doi.org/10.3390/nu13072335

「高齢の2型糖尿病患者におけるビタミン摂取量と筋量の低した:KAMOGAWA-DMコホートの前向き研究」

著者:Fuyuko Takahashiら