内臓脂肪対策:花王、コーヒー・お茶の新製品を発売、進捗状況を確認できるモバイルアプリも公開

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花王は、内臓脂肪を減らし、高い血圧を下げることを目的とした機能性表示食品(FFC)の新シリーズを発売、消費者はアプリを使って進捗状況を測定することができる。

この商品は、花王の健康飲料ブランド「ヘルシア」から、RTDのお茶、粉末の黒豆茶とコーヒーを含め10月7日より日本で発売されている。

機能性表示食品の茶系飲料では日本初の、「高めの血圧」「内臓脂肪」をダブルで訴求する飲料となった。

これは、内臓脂肪に対する消費者の関心が高まっていることに対応したものだ。また、同社は、日本人の生活習慣病の最大のリスク要因が「高血圧」であることを挙げている。

高血圧や肥満指数 (BMI) の高い人に適していると言われているこの製品には、コーヒー豆に含まれる植物化学物質であるクロロゲン酸が含まれていまる。

「コーヒー豆の機能性については、20年ほど前から研究していました」と、花王のコンシューマープロダクツ事業・健康事業部商品開発部マネージャーのMegumi KondoさんはNutraIngredienets-Asia誌に語っている。

同社の過去の研究は、クロロゲン酸がヒドロキシヒドロキノン (HHQ) フリーコーヒーにおいて用量依存的に抗高血圧効果を有することを示した。

コーヒー豆の焙煎時に放出される副産物である,クロロゲン酸の抗高血圧作用を弱めるHHQの除去は、重要であることがわかった。

別の4週間試験では、クロロゲン酸を多く含むHHQを減らしたコーヒーの摂取が食後の脂肪酸化を増加させることが示された。

これまでに、今年初めに発売した「ソフィーナiP」ブランドの血流改善・肌の潤い改善のための飲料やタブレットなど、クロロゲン酸を配合した7つの健康食品を発売している。

R&D

Kondoさんに研究開発の課題を尋ねると、研究開発にはヒト臨床試験実施を含む多くの試験を行う必要があるとの答えだった。

また、クロロゲン酸を安定的に抽出するためには、天候などの栽培に関する条件の変化にも左右される。

また、原料となるコーヒー豆の選定や加工にも工夫を凝らした。実は、今回発売される3つの商品は、それぞれ異なるクロロゲン酸製剤を使用している。

「課題は、クロロゲン酸の独特の味をうまく機能させ、日常の消費に適したものにする方法を見つけることにもありました。」

「これらの課題を克服したのは、花王が得意とする異なる専門分野の知識をダイナミックに組み合わせたマトリックスマネジメントの手法によるものです。加工、フレーバーデザイン、効能の専門家が密にコミュニケーションをとりながら開発を進めました」と語っている。

モニタリングツール

一方、同社は内臓脂肪のモニタリングツールを開発し、メッセージングアプリ「LINE」上で公開している。

スマートフォンで撮影した2枚の写真を使って、内臓脂肪値を推定・記録することができる。

内臓脂肪は目に見えないため、これまではCTスキャンで測定していたが、普及していなかった。

そのため、継続的に自分の状態を把握したり、健康的な行動の効果を確認したりすることが難しく、行動を継続することができなかった。

しかし、この無料測定ツールを使えば、簡単に内臓脂肪をモニターすることができるようになる。