アスリート認定:味の素、関節用アミノ酸サプリメントでスポーツニュートリションのラインナップを拡充

_1.jpg

味の素株式会社は、スポーツニュートリションブランド アミノバイタルに、日本のオリンピック選手のために開発した、アミノ酸を主成分とする関節用サプリメントを追加した。

このサプリはアミノバイタル シリーズでは初となる関節健康用製品で、他には回復促進、血糖値のコントロールによる持久力の向上、筋肉の引き締めを目的とした製品がある。

セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、アラニン、プロリンの6種類のアミノ酸を4,000mg配合した、手軽に飲める顆粒タイプとなっている。

アミノ酸はタンパク質を構成する最小の成分であるため、一般的に吸収されるまでに3~4時間かかるタンパク質とは異なり、30分で容易に吸収されるため、スポーツの前、中、後に摂取することができる。

当初は日本代表選手のために開発されたサプリメントで、味の素は日本オリンピック委員会と日本パラリンピック委員会の支援を受けて、2020年7月から東京2020オリンピック・パラリンピック終了までに約10万個を配布した。

アスリートからのフィードバックでは、94%が今後もこのサプリメントを使用する意向を持っている。

このサプリメントは、日頃から運動する人や、関節のコンディションが気になるアスリートなど、一般を対象に10月から販売を開始した。

全国のスポーツ用品店のほか、味の素のECショップ(味の素ダイレクト)でも販売されている。

味の素は、2021年度の売上目標を約1億円に設定している。

科学的根拠に基づくエビデンス

このサプリメントの有効性は、日本と北米の2つの学会で発表されたヒト試験で確認されている。

ヒト臨床試験では、6種類のアミノ酸が関節の違和感や腱の状態に及ぼす影響を調べた。

1つ目の研究は、膝の違和感に対するアミノ酸の効果をプラセボ対照二重盲検並行群で評価したもの。

この研究に携わった研究者の一人であるDaiichi Shindo氏によると、変形性膝関節症とは診断されていないものの、膝関節に違和感を覚える50人(平均年齢:50歳)を募った。

参加者は介入(アミノ酸)群とプラセボ群に均等に分けられた。

介入群の被験者には、4,000mgのアミノ酸が与えられ、1日3回、12週間にわたって摂取してもらった。

主要評価項目はJOAスコア:JKOMスコア:被験者による不快感:こわばり:痛みの評価で、ベースライン時、12週目、16週目(介入後4週間)に測定した。

スコアの結果、介入群では12週目から16週目にかけて有意な改善が見られ、被験者がアミノ酸の摂取をやめても効果が持続することが示された。

腱に関する別の研究では、16人の被験者(平均年齢:24歳)を募り、無作為化対照試験を実施した。

前試験と同様に、介入群は1日3回、4,000mgのアミノ酸を2週間摂取した。

アキレス腱の構造を超音波検査で捉え、硬度指数をベースライン時と4週目(介入後2週間)に測定した。

結果、アミノ酸の摂取を中止しても、アキレス腱の改善と強度の維持が認められた。

これらの結果は、アミノ酸製剤が不快感を和らげながら、関節や腱のコンディショニングに使用できることを示唆している。

研究チームは、「6種類のアミノ酸が腱や膝関節の違和感を緩和するメカニズムを明らかにする予定です」と語っている。