2019年10月に日本で初めてサービスを開始したKINSのパーソナル栄養サービス「KINS Box」は、簡単な皮膚検査から始まり、個々の皮膚マイクロバイオームを把握し、皮膚の状態に適した栄養補助食品を推奨する。
今年12月には台湾、来年にはシンガポールでの展開も予定している。
現在、同社は皮膚のマイクロバイオームに焦点を当てているが、今後は腸や膣のマイクロバイオームにも拡大していく予定。前者については、便の検査が必要となる。
これは、日本の消費者の間で腸の健康に対する関心が高まっていることを受けたものだと、KINSのPRマネージャー、Mina Hakamataさん。
検査キットによる結果は、健康なマイクロバイオームを維持するためのサプリメントやクリーム製品をユーザーに提供することとなる。
皮膚マイクロバイオーム
現在、同社の皮膚マイクロバイオームキットは、皮膚上の3つの主要な細菌、すなわちアクネ菌、ブドウ球菌、コリネバクテリウムを検査する。
方法についてHakamataさんは「お客様は、朝起きてすぐに、バンドエイドのような小さなシールを頬に貼ります。そして、そのシールをKIN'Sの研究所に郵送すると、数週間後に結果が出ます」と説明する。
その結果を1,000件のサンプルデータと照らし合わせて分析し、肌の健康状態を表すスコアを作成する。
このスコアを、KINSがあらかじめ設定した乾燥肌や脂性肌などの6つの肌タイプと照合し、それに応じたサプリメント(1ヶ月分60錠)をユーザーに提供する。
2019年の発売以来、ユーザーが抱える肌の悩みで最も多かったのは「ニキビ」「乾燥」「肌荒れ」だという。
KINSが提供するサプリメントには、乳酸菌、酵母、水溶性食物繊維(難消化性デキストリン)など、さまざまなプロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクスが配合されており、異なる肌のタイプに対応する。
また、ユーザーは LINEでコンシェルジュから、マイクロバイオーム検査の結果を通じて、適したサプリメントや化粧品の種類についてアドバイスを受ける。
このオンラインコンシェルジュサービスは、KINS製品に限らず、食生活のアドバイスや他社製品の紹介、健康な皮膚マイクロバイオームを維持するためのライフスタイルの提案なども行っている。
成長するビジネス
日本では、KINS Boxは月額5,980円で販売されている。
また、シャンプー、スカルプエッセンス、フェイスマスクなどのスキンケア製品も販売している。
KINSの商品は主にオンラインで販売されるが、ポップアップショップやイベントで販売されることもある。
2021年11月現在、売上高は前年同期比500%増で、月次売上高は1億6,000万円に達している。
また、最近、7億円の資金調達を行った。
Hakamataさんによると、日本ではパーソナライズされた製品やサービスが、非常に人気があるとのこと。
「腸内環境や体全体の細菌バランスの改善に焦点を当てたヘルスケアやスキンケア製品を知っている人は少ないので、ブランド認知度のさらなる向上にも取り組んでいます」。